しかし、残念ながら日本ではLinuxモデルは出ず、当時はもうWindows Vistaが出ていましたが、Microsoftの戦略でNetbookに安くWindows XPのライセンスを付けることで、Netbookは単に安価のWindows PCと化して行きました。
さらに、EeePCはSSDを積んでいましたが、これもMicrosoftの戦略でSSDの場合は16GBまでのみ(しかもHDDの場合は160GBまで)という制限が付けられたせいで、NetbookはSSDから遠ざかり、HDDの製品ばかりになってしまいました。
たまにAppleがNetbookはiPadが殺したというような台詞を言っていますが、個人的にはその頃には、本来の意味のNetbookは既にMicrosoftによって殺されていたと思っています。
前置きが長くなりましたが、そのEeePC 901はバッテリーをAmazonで購入し直すことで、まだ現役で使うことができています。ASUSの純正でないので、色は多少違いますが、気にならない程度です。
EeePCもWindows XPであり、Windows XPはサポート機嫌が切れたため、Linuxを入れるのも良いかと思います。そのような記事もあります。
よく古いPCにはFedora 20などのディストリビューションは重すぎるといい、上記の記事でもXubuntuを入れていますが、私はGnome 3が好きなので、Fedora 20を入れてみました。
USBメモリにFedora 20のLive DVDを入れる
EeePCは、CD/DVDドライブが付いていないため、USBメモリからインストールするのが楽です。またEeePCのCPUであるAtom N270は64bitには対応していないため、32bitをインストールする必要があります。
Fedoraのページからデスクトップ版32bitのISOイメージをダウンロードします。
その後、Live USB Creatorを使用して、USBメモリに上記ダウンロードしたISOイメージを書き込みます。fedoraのPCがすでにあれば、パッケージにあるので、sudo yum install live-usbcreatorでインストールできます。Windows版はここでダウンロードできます。
私はUSBメモリには4GBのものを使用したのですが、最初はUSBメモリから起動せずに困りました。もしかするとLinuxでもfdiskで出来たのかもしれませんが、Windows Vista以降にあるdiskpartでフォーマットし直すことでUSBメモリから起動できるようになりました。Live USB Creatorで書き込む前にUSBメモリをフォーマットをしなおしたほうが良いです。
フォーマットが終わったら、「Browse」ボタンでダウンロードしたisoファイルを選択し、「Create Live USB」ボタンを押せば、Fedora20が動くLive USBが出来上がります。
USBメモリからSDカードにインストールする
EeePC 901-Xは、SSDとして4G+8Gの領域があるのですが、ここにインストールせずともSDカードにインストールすることが出来ます。
SDカードは遅いですけど、SDカードなら飛び出さないので邪魔にもならず、またWidows XPの領域を壊す必要もなく、容量も大きくとれるという利点があります。
今回は16GBのSDカードにFedora20を入れました。
SDカードとLive USBを入れてEeePCの電源を入れます。入れたらEscキーを連打します。すると下記のような画面になるので、「USB:Single Flash Reader」で無い方のUSBである「USB:FLASH Drive SM_USB20」(USBメモリの製品によって異なります)を選択します。
するとFedora 20が起動します。起動したら「Try Fedora」と「Install to Hard Drive」の選択画面が出ますので、後者を選んで、インストールを開始します。詳細は以前のFedora 20のインストールの 記事を参考にしてください。
注意するのは、HDDの選択時です。3つ表示されるので、SDカードを入れてある「Single Flash Reader」にチェックが入るようにしてください。
インストール自体は30分程度で終わります。ただし、sudo yum updateで全てをアップデートするのには8時間近くかかりましたので、ご注意ください。
インストールが完了した後には、SDカードから起動をするように設定をします。EeePCの電源を入れるときに、F2キーを連打して「BIOS SETUP UTILITY」を起動して、左右のカーソルキーで「Boot」を選択して上下のカーソルキーで「Hard Disk Drives」を選択してEnterキーを押します。
この画面で、「1st Drive」が[USB:Single Flash R]となるように+, - キーを押してください(+, - キーキーを入力するには、Fn+F11で、Num LkがONの状態にし、「れ」と「め」のキーが「-」と「+」になります)。
これで、F10キーでSave and Exitをすれば、電源を入れた時にSDカードから起動するようになります。
EeePC 901-X + Fedora 20 の使用感
起動と終了にはかなりの時間がかかりますし、ログオンにもかなりの時間がかかります。電源を入れてから使えるようになるまで、2分ぐらい(ログオンで1分ぐらいかかる)でしょうか。さらにブラウザのFirefoxを起動するのに40秒程度かかります。とてもサクサク動くとは言えないでしょう。
しかし、動かしはじめてからは結構問題なく使えます。Gnome 3のアニメーションも思ったよりスムーズに動きます。
メモリの使用量もOS起動直後で260MBほどと、Windows XPとそれほど変わりませんし、電力量もワットチェッカーで測った所、13W程度とこちらもWindows XPより少し多いぐらいという感じでした(電力を使わない使い方なら4時間ぐらいは使えそう)。
動画は再生支援がないためきついですが、Youtubeの低画質の動画がなんとか見られる程度でした(Google ChromeだとHTML5再生になるが、Firefox + Adobe Flashの方が良かったです)。文字入力などはmozcでもそれほど遅いとは感じないです。
WiFiでの通信やFnキーと組み合わせる光量や音量の変更などハードの関係は全く問題なさそうでした。しかしサスペンドはサスペンドに入るまでが、30秒近く掛かってしまいます(復帰は速いです)。
それと、タッチパッドは初期設定ではタップができないなど不便なので、マウスの設定画面からONして使っています。EeePC 901-Xではマルチタッチに対応しているので、二本指でのスクロールもできますし、また二本指タップでマウスの右ボタン、三本指タップでマウスの中ボタンという使い方も問題なく出来ました。
特に気になったのは、SDカードが悪いのか、yumでのインストール作業が非常に遅いこと程度です。
サクサクな動作のために機能が低いディストリビューションを選ぶのも悪くはないですが、 個人的にはこの程度の速度でフル機能のLinuxが使えるのであれば、満足できるかと思いました。せっかくのEeePC、Windows XPのサポート期限終了で引退させるのではなく、こういう使い方も良いのではないかと思います。
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